現場で働く産業医に聞いた、アンケート結果から読み解く、企業における産業医の役割 | さんぽJOB

現場で働く産業医に聞いた、アンケート結果から読み解く
企業における産業医の役割


企業における「産業医」の役割は、従業員の健康管理や法令遵守だけでなく、組織の持続的成長やリスクマネジメントにも直結しています。しかし、実際に現場で産業医がどのような課題に直面し、どのような知識やスキルが求められているのかは、経営層や人事・労務担当者にとっても見えにくい部分が多いのではないでしょうか。 本記事では、2025年12月に実施された産業医向けアンケートの定量的な結果をもとに、現場のリアルな声から「企業における産業医の役割」について解説します。産業医の活用が企業にもたらすメリットや、より効果的な連携のポイントについてもご紹介します。

1. 産業医向けのアンケート概要

今回のアンケートは、「さんぽLAB」および「さんぽJOB」会員の産業医を対象に、2025年12月末に実施し、95名から回答を得ました。

  経験年数
 「11年以上」が43名と最も多く、次いで7~10年未満が17名、4~7年未満が17名、1~4年未満が14名、1年未満が4名と、幅広い層から回答が集まりました。
  働き方
 「嘱託産業医」が57名と最多で、他業務と兼業が20名、専属産業医が15名、専業産業医が1名、統括産業医および嘱託産業医が1名、産業医事務所(独立開業型)が1名でした。
  担当エリア
 「関東」が51名と圧倒的多数で、東海15名、関西13名、九州・沖縄10名、中国・四国6名、北陸・甲信越5名、北海道・東北4名と、全国に分布しています。

2. 企業が産業医に求める役割

アンケート結果から、企業が産業医に最も多く求めている役割は、「メンタルヘルス対応」と「休職・復職支援」であることが明らかになりました。

  企業からの相談カテゴリ(複数回答)
 メンタルヘルス:85件
 休職・復職対応:83件
 健康診断の関連:53件
 ストレスチェックの関連:30件
 過重労働:20件
 ハラスメント:10件
 健康経営の推進:8件

このように、メンタルヘルスや休職・復職対応が突出して多く、健康診断やストレスチェックも重要な相談内容となっています。
これらの課題は、単なる従業員の健康課題にとどまらず、企業の制度設計や労務管理、従業員とのコミュニケーションなど、多面的なアプローチが必要とされる領域です。

3. 産業医が現場で感じている課題・必要な知識やスキル

「産業医活動をしていく上で必要だと思うスキルや知識」については、以下のような回答が得られました。

  必要だと思うスキルや知識(複数回答)
 コミュニケーション力:81件
 メンタルヘルス対応:81件
 法令・労務知識:71件
 健康診断結果の解釈:28件
 ストレスチェック運用:13件
 ハラスメント対応:10件
 デジタルツール活用:9件

また、自由記述では「AI活用」「健康経営」「交渉力」「経営知識」「ヒューマンスキル」など、今後さらに重要になる知識やスキルが挙げられています。
産業医として活動を続けていく中で、企業の変化や社会のニーズに応じた継続的な学びの重要性が、改めて浮き彫りになりました。

4. 産業医の活用が企業にもたらすメリット

産業医が積極的に関与することで、企業にはさまざまなメリットがあります。

  従業員の健康維持・生産性向上
 定期的な健康診断やストレスチェック、メンタルヘルス対策を通じて、従業員の健康リスクを予防・早期に発見し、適切な対応を行うことができます。
 これにより、欠勤や休職の減少、生産性の向上が期待できます。
  休職・復職支援による人材ロスの最小化
 産業医が復職支援に関与することで、従業員が安心して職場復帰できる環境を整え、人材の流出や長期離脱を防ぐことが期待できます。
  ハラスメント・過重労働対策によるリスク回避
 職場のハラスメントや過重労働は、企業にとって大きなリスクです。
 産業医の専門的な視点から、早期発見と予防策の提案が可能となり、法令違反や訴訟リスクの低減につながります。
  健康経営の推進と企業価値向上
 健康経営を推進することで、従業員のエンゲージメント向上や企業イメージの向上、採用力の強化など、長期的な企業価値の向上にも寄与します。

5. 産業医と人事・労務・経営層の連携ポイント

産業医の専門性を最大限に活かすためには、人事・労務担当者や経営層との連携が不可欠です。

  情報共有・相談体制の構築
 定期的なミーティングや情報共有の場を設け、現場の課題や従業員の健康状態について、オープンに話し合える体制を整えましょう。
  産業医の専門性を活かした施策例
 メンタルヘルス研修やストレスチェックの運用、復職支援プログラムの設計など、産業医の知見を活かした施策を積極的に導入することが重要です。
  企業側が意識すべきポイント
 産業医が現場で活動しやすいよう、制度設計や業務フローの見直し、現場との橋渡し役を担うことも企業側の大切な役割です。
 産業医の意見を経営判断に反映させることで、より実効性の高い健康経営が実現します。

6.まとめ・今後の展望

産業医の役割は、従業員の健康管理だけでなく、企業のリスクマネジメントや組織の成長にも大きく貢献します。
アンケート結果からも、現場での相談内容や必要なスキルが多様化・高度化していることが明らかです。
企業として産業医の専門性を最大限に活かすための体制づくりや、連携強化に取り組むことが、これからの時代にはますます重要となるでしょう。

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